■キャスト&スタッフ
マイケル・ケイン / チャーリー
ノエル・カワード / ブリッジャー
ベニー・ヒル / ピーチ教授
トニー・ベックリー / フレディ
ラフ・ヴァローネ / アルタバーニ
ロッサノ・ブラッツィ / ベッカーマン 他

脚本:トロイ・ケネディ・マーティン
監督:ピーター・コリンソン
音楽:クインシー・ジョーンズ

1969年(イギリス/アメリカ)

■ストーリー
イタリアのトリノを舞台に、天才的大泥棒チャーリーが、400万ドルの金塊強奪にいどむ犯罪アクション。刑務所に服役中のボスの指令で、金塊輸送車を襲撃することになったチャーリー。彼はトリノの交通網をマヒさせ、ミニ・カーを駆って市中を逃げ回る……。

「allcinema ONLINE 映画データベース」より引用

 

  ミニミニ大作戦 スペシャル・コレクターズ・エディション

おすすめ度
★★★★★

 


みんなのルパンガイッパイ」より情報提供いただきまして、ようやく見る機会に恵まれました(笑)
情報元ではリメイク版(2003年)をお勧めいただいたんですが、手にとったのはなぜかオリジナル版。
もちろんスタイリッシュ度アップ!!なリメイク版もみまして、そこかしこにルパンチックを発見しました。が、チープでゆるゆる、60年代の美術装飾、全編に漂うイギリスジョーク、これだけでもあたしは満足。そんなサメダバコにはオリジナル版が似合ってる(!?)というわけで、今回は69年制作の「ミニミニ大作戦」をご紹介します。


■飄々とエレガントなチャーリーと愉快な仲間達 

マイケル・ケイン演じるチャーリーは、そのエレガントな風貌でありながら軽妙かつ飄々としたチンピラっぷりが巧い具合に滲み出ていて、頼りがいがあるようなないような…でも天才肌のリーダーというキャラクター。
ズボンの丈が短めってのもルパンっぽくてポイント高し(笑)
その下に集まったのもひとクセもふたクセもある感じの者ばかり。
普段は経営コンサルタントのようなことをしてるフレディ(常にスーツ)に、コンピューターに強いデブ専のピーチ教授を中心に、ドライバーやら車の改造やら盗聴やらその道のプロがザッと十数人近く集合。
彼らのバックには資金援助をしてくれるボスもいるらしく、計画を上手く運ぶ為の準備や実験で惜しみなく車をぶっ壊していく様は圧巻(もったいねぇ〜)

出て来る車と言えば、ランボルギーニ・ミニクーパー・フェラーリ・アストンマーチン・ジャガー・アルファロメオ、そして舞台がイタリアというわけで画面のそこここに我らがFIAT500が転がり走ってます(笑)(しかもあの見慣れたエンブレムをつけた顔を見せてくれるのが嬉しい!)
上記にあるような車を良く知らない私でも知ってる名車たちが惜しげも無く壊されていくんだから、勿体無い凄いの一言。



■オシャレで明るい逃走劇 ―
狙うは400万ドルの金塊、フィアット社

60年代70年代に多く見られたこの手の映画は、ゆるゆるチープでありながら色彩も渋鮮やかで底抜けに明るくどことなく優雅な作風。
ルパンでいうとかの珍作「念力珍作戦」系にも通じるかもしれません(笑)違うか、違うかも(笑)
「ミニミニ大作戦」というちょっと抜けた邦題も本作には実にピッタリ。しかしリメイク版の邦題もこれにしちゃったのは正直どうだろうと思っちゃいました(笑)あっち普通にカッコいいんだもん。

そもそもこの泥棒たち、イギリスを中心にお仕事をしていたようで今回イタリアに400万ドルもの金塊が運ばれるってことで、折りしもトリノで行われるサッカー"イングランド"vs"イタリア"戦の混乱(イギリスから怪しい団体さんが来ても不思議じゃない状況)に乗じてイタリアに乗り込んでくる訳です。
そこで勃発するのはイギリス泥棒vsイタリアンマフィア、そしてやっぱり泥棒vs警察

「イタリアでの大仕事」シーン。トリノの街中に意図的に発生させた大渋滞は圧巻!!撮影の為実際に渋滞を起こしたというのだから、そのシーンは滑稽でありながらも大迫力。
そして金塊強奪のシーンで彼らは銃など使わない。かなりの体当たりの肉弾戦!ひたすら体力と知恵のみ。ここは決してスマートな方法じゃないんですが、この泥臭さが私にとっては◎でした。
ただしこの映画では盗みのテクニックより逃走劇を中心にして描いているので、それ(盗みテク)を期待してると肩透かしを食らうかもしれませんね(笑)

金塊を首尾よく奪ったら自ら引き起こした大渋滞の中を逃げなくてはいけません。この逃走劇の間も実にルパンチック。
この映画の半分近くは3台のミニのカーチェイス。常に赤・白・青の順番を守って道路を(時には博物館内屋根下水道を!?)縦横無尽に掛けめぐるシーンは緊迫感よりもユーモラスで可愛らしく品がある。そしてずっと見ていくうちに、3台のいつも最後を走る青ミニがちょっと出来そこないの三男坊に見えてくるのが面白い。

後を追いかける警察のパトカー(アルファロメオ)も思わず銭形乗ってるんと違う?という感じの無骨さなのもいい。
単純な大団円で終わらないラストシーンも憎いです(笑)


■なんて素敵な声優陣!

私は普段外国映画は字幕派なんですが、こういった映画を日本人が楽しむには「吹き替え」が一番だと思っています。
今回もそのマイルールに乗っ取って吹き替え版で聞き始めましたら…

広川太一郎だ!小林清志だ!小原乃梨子、雨森雅司まで!おぉ!

こりゃテンション一気に上がっちゃいます。この手の映画を広川さん何本手がけてらっしゃるんだか分かりません。
そして、ルパンパイロットフィルムでの競演を嫌がおうにも思い出させる広川&小林コンビ。
役柄的にもチャーリー(リーダー)とフレディ(2番手)という設定なのがおいしい。チャーリーのホントの片腕よりいっしょに行動してるしフレディ…(笑)

この二人がピーチ教授を仲間に引き入れるべく家に向かった時も、紳士然とした大の大人が二人とも膝の上に猫を抱いて(フレディなぜか内股)教授のお母様の長い話を大人しく聴いてる姿は滑稽で可愛い(笑)

加えて計画をボスに伝えるフィルムビデオでしゃべるコバキヨボイスには思わずニヤリ。


「○子の部屋」にご出演中のルパンと次元(違)→

そして、例のピンク次元を思い立ったのはコバキヨさん演じるいつもスーツなフレディが、作戦決行のギリギリまでなぜかドピンクなスーツを着ていた為(笑)他の仲間は既につなぎに着替えているのに…しかもそれまで普通のダークスーツだったのに、ピンクって!ここ一番の一張羅かよ!
と、このわけわかんなさにインパクトを受けたのでありました。

↑上の図でも、ネクタイにワンポイントピンクを使っていたりして、何気に彼のラッキーカラーなのかもしれない…。

←そのため2006年元旦早々こんなピンク次元をINDEXに描いてしまいました(笑)

 



「俺、作戦開始の目印になるわ」
そりゃ次元さん、目立ちすぎだと思います。



■おまけ ― 自己防衛の社会

ここから先はルパンあんまり関係ないので(笑)お時間ありましたらザザッと読んでください。
ラスト辺りにかかる主題歌♪自己防衛の社会♪は英語の歌詞は脈絡も無くってハチャメチャ。

実はコレ、イギリス英語のコックニー(スラング)で書かれているのでパッと訳せなくても、ちゃんと意味はあるのです。たとえば"apples and pears"(林檎と洋ナシ)が「=階段"stairs"」みたいな韻を踏む感じで使われてるんですって。
こういった言葉をそのまんま並べて作った歌詞なので、意味のワカランアメリカ人はバカウケだったとか(笑)
こういう楽しみ方が英語の出来ない日本人(=私)は損をしてるんでしょ〜ねぇ。
だけど耳に残るメロディラインと男たちの歌いっぷりだけでも充分アッパレとなります(笑)

それでもなんか悔しいのでそのスラングとやらを探し出して意味を解読してみましたよ!(意地)
原文はこんな感じ。皆さん分かります?

♪自己防衛の社会♪

This is the self-preservation society ×2

Go wash your Germen bands , your boat race too
Comb your Barnet fair, we got a lot to do
Put on your dicky dirt and your Peckham Rye
`couse time's soon hurrying by

Get your skates on, mate ! ×2

No bib around your Gregory Peck today, eh?
Prop your plates of meat right on the seat

This is the self-preservation society ×2

このままウェブ翻訳に放り込んでも混沌とした訳が出て来るだけです(笑)
コックニーの部分(推定)を色分け。

This is the self-preservation society ×2

 
Go wash your Germen bands , your boat race too ジャーマンバンドとボートレースを洗うってなんだ?
Comb your Barnet fair, we got a lot to do バーネットフェアってナンジャロ
Put on your dicky dirt and your Peckham Rye ディッキーの塵?ペッカム・ライって南ロンドンの地名って出ちゃったよ…
`couse time's soon hurrying by  

Get your skates on, mate ! ×2

 
No bib around your Gregory Peck today, eh? グレゴリー・ペックはあのグレゴリー・ペックだしょー?!(bib=涎掛け)
Prop your plates of meat right on the seat なんか一瞬合ってる感じだけど文になっとらん…怪しい

This is the self-preservation society ×2
 

と言う訳で"Cockney Rhyming Slang-cockney dictionary"を手引きに解読。
見事発見するたびだんだん面白くなってくる(笑)

This is the self-preservation society ×2

 
Go wash your Germen bands , your boat race too *Germen bands=hands 手 *boat race=face 顔
Comb your Barnet fair, we got a lot to do *Barnet fair=hair 髪
Put on your dicky dirt and your Peckham Rye *dicky dirt=Shirt シャツ *Peckham Rye=tie ネクタイ
`couse time's soon hurrying by  

Get your skates on, mate ! ×2

 
No bib around your Gregory Peck today, eh? *Gregory Peck=neck 首
Prop your plates of meat right on the seat *plates of meat=feet 足

This is the self-preservation society ×2
 

前述したように音の近い単語で韻を踏んでるという規則性があるのが分かると思うんですが、これがホントの地元っ子になると、音の似ている方の単語を敢えて省略しちゃうんですって。
こうなるとホントにお手上げですよね(笑)

それは置いておいて…さぁ、もうだいぶ意味が分かってきたので
勝手に訳してみました。

This is the self-preservation society ×2

これは自己防衛の社会だ
自己防衛の社会なんだ
Go wash your hands , your face too 自分で手を洗え 顔も洗え
Comb your hair, we got a lot to do 髪をとかして
Put on your shirt and your tie さっさと身支度整えろ
`couse time's soon hurrying by 時が経つのは早いのだから

Get your skates on, mate ! ×2

急げ!仲間達よ ノロノロするな!
No bib around your neck today, eh? 涎掛けなんか今日でおさらばだ そうだろ?
Prop your feet right on the seat さぁ 自分の足でシャンと立つんだ

This is the self-preservation society ×2

自己防衛の社会なんだ
これが自己防衛の社会ってヤツさ

ザッとこんな感じでしょうか。意訳しまくりですが、ボートレースを洗ってるよりはマシになりました(笑)
ちなみにDVDの字幕では"Put on your dicky dirt and your Peckham Rye"の部分が「チリを払え」となってるんですが、これは思いっきり"dirt"に引っ張られたのかなぁ?いや、コレが正解なのかなぁ?なんて思ってしまいました。奥深し、スラングの世界。
でもDVD字幕の"No bib around〜"と"Prop your plates of meat〜"を
立ち上がるのは今日だ 気張って生きよう」と訳してるのは結構好きだったりします^^

もしこれから見る方は是非♪自己防衛の社会♪ご唱和ください(笑)

  2006.2.22UP


Special Thanks!! ピコ丸さん

     
本サイトは非営利の個人であるサメダが運営しています。
こちらで引用させてもらっている画像について著作権及び肖像権を犯す目的は一切ありません。
もし関係者の方でご迷惑をおかけすることがあればメールにてご一報いただければ幸いです。